京都でも有数な観光地である平安神宮から歩いてすぐの場所で、和食の伝統的な技術を活かしたまったく新しい飲み物が誕生しました。
それが今回紹介する『すりながしスタンド だしとうまみ』のすりながしドリンクの数々。伝統的な和食の椀物であるすりながしを現代風にアレンジしたドリンクは、飲む和食というちょっと不思議なテイスト。手軽に飲めて美味しくて、しかもヘルシーで京都らしさも満点。京都旅行の立ち寄りポイントにピッタリです。
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すりながしとは、そもそもどんな料理?
すりながしと聞いても、パッとどんな料理かイメージできない人も多いと思います。すりながしは漢字では「擂り流し」と書き、野菜などの材料をすり潰して裏ごしをして出汁で伸ばして加熱した料理。つまり和風ポタージュスープのようなメニューで椀物として扱われています。
ほかにも料理最初の前菜の盛り合わせの中の一つとしても登場。季節の軽い焼き物や和え物などに混ざって、スプーンで2すくい分くらいのごく少量がグラスなどに入っているケースも見かけます。
擂り流し(すりながし) – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/すりながし
すりながしは素材の香りが濃厚で少し飲んだだけでも四季の味わいを強く印象付け、季節を楽しむことが基本スタイルである和食において名脇役的な存在となっています。そんなすりながしがメインメニューとなって「和食を、気軽にワンハンドで」というコンセプトのもと『すりながしスタンド だしとうまみ』からカップ入りのドリンクメニューとして誕生しました。
すりながしスタンド だしとうまみ は京都ハンディクラフトセンターの中
「懐石料理なんかでちょっとだけ食べるすりながしがタピオカドリンクみたいなカップに丸々1杯」という期待と若干の不安を感じつつやってきたのが、こちら。
住所を頼りにお店を探してみると少しイメージと違う、京都ハンディクラフトセンターという建物に到着しましたが、看板も出ているということで間違いなさそう。
入り口を入って案内に従って2階へ行ってみると、目の前に広がったのは日本の伝統工芸のお店のような空間。
カフェのような雰囲気を想像していたら全然イメージと違う場所でしたが辺りを探してみるとお店を発見。
店名にも確かにあるようにドリンクスタンドという雰囲気。ドリンクは施設に併設されているイートインスペースでいただけます。
すりながしドリンクはどこで作っているのかと思ったらなんと、施設5階の本格和食懐石の匠 正阿弥(たくみ しょうあみ)さん。これは本格的な予感。
和食のすりながしをストローでごくごく飲むという不思議体験
お店が入っている施設の方も気になりますが、まずはすりながしを飲んでみたいと思います。今回は取材にお邪魔したということもあり、せっかくなので、お店オススメの「とうもろこし」、「うすい豆」、「かぼちゃ」と3種類のすりながしを出していただきました。
和食の椀物であるはずの、すりながしが透明のカップに入っているとは聞いていましたが、いざ実物を目の前にしてみると、やっぱり不思議。目の前にあるのはどう見ても、インスタ映えしそうな感じのタピオカドリンクっぽい飲み物。でも中身は和食、なかなか脳が上手く認識してくれません。
じっくり観察してみるとドリンクは基本的に3層になっているそうです。一番下にある透明部分は、だしジュレで和食の基本であり店名にもあるダシにはカツオと真昆布を使用。料理長のダシへのこだわりによって、熟成させるほど美味しい真昆布は長期熟成の2年物を厳選して使用しているそうです。
だしジュレの上、真ん中のそれぞれカラフルな層には商品ごとのすりながしが入っています。
そして上段の白い層は豆乳のエスプーマで、その上にはそれぞれのトッピングが乗っています。
前置きが長くなりましたが、それではいただきます。
まず写真中央の「うすい豆と桜のすりながし」。ちなみにすりながしドリンクは飲む時には全体を混ぜて飲むそうですが、せっかくですので混ぜる前のダシ部分を少し飲んでみたいと思います。
一番下までストローを入れて飲んでみると確かにダシの味。ストローで飲むダシはやっぱりちょっと不思議な感覚です。ダシはかなり濃厚な贅沢仕様ですが混ぜて飲むのを前提としてるので、この濃さとなっているそうです。
そしてキレイに層に分かれているドリンクなので崩すのはちょっともったいない気もしますが、思い切って混ぜて少し恐る恐る飲んでみました。結論から言ってしまうと確かに美味しいです!
タピオカやスムージーのように甘くてスルスルと飲めるドリンクとはちょっと違い、かなり独特の存在感のあるドリンクではありますが、全体としての印象はとっても美味しい。これは何かと聞かれると確かに和食で間違いなく初めて飲んだ味。
ちなみにドリンクに使われている材料欄を見てみると海老やタケノコの文字。どこにあったのかと思ったら、ストローでは入って来ない茶わん蒸しに入っているくらいの大きめサイズにカットしてありました。こちらはスプーンですくって食べました。
こちらのとうもろこしのすりながしには、なんとクミンで味付けをしたおし麦が入っています。主にカレーの香り付けに使用されるクミンで風味付けされたおし麦は、ほんのりとスパイシーでプチプチと食感も楽しい一杯となっています。
またこちらのかぼちゃのすりながしは、すりながし部分の中に鳥ミンチが入った意欲的な1杯。しかも、よく見ると赤い四角の物体が入っていますが、それはなんと近江こんにゃく。派手好きな織田信長が地味なこんにゃくを赤く着色させた滋賀県特産の近江こんにゃくが煮物にされて、ナタデココのような雰囲気でドリンクの中にはいっています。
そもそもすりながしのドリンクというだけでも珍しいのにそれぞれが三者三様。中の具材も少しバランスを崩すと変な味になりそうなのに、ちゃんと美味しくて技術の高さにちょっと感動してしまいました。
SNS映えするカップの中には創意工夫が詰まっていて、それがストローで手軽に味わえるという和食の懐の広さを知る思いのドリンクでした。
※こちらは約1ヶ月後の5月にお邪魔した際に初夏のラインナップに変更した商品。
枝豆のすりながしで、中には白玉や近江こんにゃく、エビが入っていました。
フードメニューも想像以上のクオリティ
すりながしスタンド だしとうまみでは、すりながしドリンクと一緒に食べるフードメニューも販売。こちらは鯛の五色揚げで、ぶぶあられという目にも美味しそうなあられをまぶした揚げ物で、すりながしとは対照的な香ばしさとサクサク感で相性ピッタリです。
ほかにも、おにぎりやだし巻き玉子と焼き鮭が入って和食の美味しさがギュッと詰まったお弁当セットがオススメ。こちらも同じ施設の匠正阿弥さんによるもので、とっても本格的。いい意味で伝統工芸のドリンクコーナーから出てくるとは思えないレベルのクオリティとなっています。
現代にマッチしたすりながしは進化した和食ドリンク
今回紹介したすりながしドリンクは、手軽で美味しいだけではなくヘルシーなのも特徴。すりながしのペースト自体には調味料は使用しておらず、トッピングや具材の調味料は無添加のものを使用。素材本来の味をいかすのは和食の特徴とは言ってもすりながしペーストに調味料不使用というのは驚き。
合成着色料や添加物不使用の商品はよく目にしますが、ペーストに調味料も着色料も使用せずに、野菜のみであの鮮やかな色味を出しているドリンクはかなり珍しいと思います。
そんな自然派すぎるほど自然派なすりながしドリンクはカロリーも当然控えめ。例えばタピオカドリンクは1杯でラーメンと同じくらいの高カロリーと言われていますが、すりながしドリンクは遥かに低カロリー。しかし食べたあとには充分な満足感があるので罪悪感なく小腹を満たすのにもピッタリ。
和の伝統的な要素を残しつつ現在にマッチしたドリンクは、近隣ではすでに人気のドリンクとなりつつあり、近くのオフィスから10個単位などでのデリバリー注文も入っているそうです。
京都旅行の立ち寄りポイントに京都ハンディクラフトセンター
今回紹介したすりながしスタンド だしとうまみは、京都ハンディクラフトセンターという建物の中にあります。こちらの施設では、すでに紹介したように日本の伝統工芸の品々が販売されています。
なかでも、地金に金や銀などの別の金属をはめ込んだ京象嵌に関しては、施設内に職人さんがいて実演が行われていて、伝統文化をその目で見てその場で購入したり、また旅行者自身が体験するワークショップなども開催されています。
ほかにも京都ハンディクラフトセンターでは、キッズスペース併設の英語の絵本屋さんなどもあり観光だけでなく地域の住人にも利用されています。
ちなみに、こちらのスペースからすりながしドリンクの注文もできるので小さなお子さんの和食とのふれ合いにも可能で、一味違った京都旅行のお立ち寄りスポットにオススメです。
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【すりながしスタンド だしとうまみへのアクセス】
京阪電車神宮丸太町駅をおりて東へ向かい、丸太町通りを10分ほど歩いた場所にあります。
【すりながしスタンド だしとうまみ 施設情報】
住所 | 京都府京都市左京区聖護院円頓美町17 京都ハンディクラフトセンター 東館 1F |
TEL | 075-761-0133 |
営業時間 | 11:00-18:00(L.O17:30) |
アクセス | 神宮丸太町駅から750m |
定休日 | |
公式サイト | https://dashi-umami.com/ |
ま・と・め!
すりながしスタンド だしとうまみは平安神宮近く京都ハンディクラフトセンターの中
すりながしドリンクは商品ごとに中身もトッピングもそれぞれオリジナリティーが高い
すりながしはヘルシーなのに美味しくて満腹感もあるので京都旅行中の休息にもピッタリ
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